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 コース・学科・大学院紹介 > 化学コース > 受験生のための化学コースQ and A

1. 理学部化学コースと工学部や農学部,薬学部,教育学部で行う化学の違いは何で

すか.

(Answer) 学問に境界はありませんが,化学は多くの学部に広がっているのが特徴で,

各学部間で教育される化学に厳密な区別はありません.工学部では,付加価値の高い工業製品

の生産まで目指した化学が主流です.とくに化学工学は化学品を生産するプロセスや装置に関

する学問であり,理学部にはそのような研究分野はないと思います.農学部は,植物や家畜の

生産に必要な化学,薬学部では医薬品製造や薬物の機能解析への志向性が強いです.農学部,

薬学部ともに生物的な要素が強いです.理学部の化学コースでは,対象は生命から環境まで

限定がなく,「化学現象はどうして起きるのか.どのようにして起きるのか」という疑問を

教員がもち,利潤などや一過性の流行にとらわれず自然の原理を見いだすことに力点を置い

ていますが,浮世離れでもなく,何らかの社会とのかかわりをもつように教育研究を行って

います.高等学校一種の教員免許(理科)は工学部や薬学部で取得することは困難です.教

育学部では化学だけでなくより幅広い自然科学全体をまんべんなく学びます.

2. 高等学校で学ぶ化学と大学で勉強する化学の違いはどこにあるのでしょうか.


(Answer) 
高校では,文部科学省が提示した学習指導要領をもとに,ほとんどの高校が同一の教育課程

で授業を行いますが,大学では,教える範囲が決まっておらず,各大学の裁量に任されてい

ます.講義自体は,基礎科目を除き,最先端の科学技術と関連させるようになっています.

また大学での大きな特徴は,高学年になるにつれてより専門化することと,講義の選択の自

由度がより高くなることです.化学だけでも10−20種類の講義があることが物語ってい

ます.勉強には高校以上の自主性と積極性が要求されます.講義は高度になりますが,きち

んと予習復習をすることと,その科目に興味を持ってくれさえすれば,理解できる程度にな

るはずです.
もう一つは,講義,演習,実験が別の科目になっていることです.化学では,実験を重視し,

多くの時間をとっています.内容的には,化学の基礎を学ぶときに数学や物理学が高校に比

べて深く入ってくることでしょうか.

3. 化学を勉強するにはどういう科目が必要でしょうか.


(Answer) 
高校で化学だけでなく数学,物理,生物をまんべんなくとってもらいたいのが理想ですが,

それをきちんと履修しなかった人でも対応した科目が用意されています.

4. 化学IIを高校で履修しなくても化学コースに行けるでしょうか.


(Answer) 
前期入試の個別試験では,化学IIも範囲に入るので困難ですが,後期であれば化学IIを受講し

なくても入学できます.化学を勉強したいという意欲と一生懸命に化学を勉強すれば大丈夫

です.基礎化学I,IIという一年生向きの講義では,高等学校で化学を履修していない学生に

も対応しています.一方基礎化学演習I, IIでは化学IIを履修したほうが有利です.

5. 化学コースと学際理学コースの違いは何ですか.


化学コース教員全員が学際理学コースの教育に寄与していますが.大きな違いはカリキュラム

といってよいでしょう.学際理学コースのうち,学際生物・化学プログラムとナノ物質科学プ

ログラムでは,化学コースの化学分野の必修を減らし,一方で生物や物理の分野の必修を増や

しています.また学際理学コースでは2年次に3つのプログラムのうち一つを選択します.(注:平成24年度入学生から学際理学コースのカリキュラムを変更予定)

6.化学コースでも,生物などの他の分野の科目は受講できますか.


(Answer) 問題はありませんが,化学コース必修科目と授業時間がぶつからないように受講してください.

2年次以上の他コースの実験や演習科目の場合は人数の都合上,受講できない場合があるかもし

れませんので,担当教員にたずねてください.

7.化学では,英語は必要ないのでしょうか.


(Answer) 
現在グローバル化された社会において,英語はどの分野でもますます重要になっています.日本

に住む外国人も増えています.数式や化学で現れる元素記号や化学式は世界共通です.研究を行

うには,日本語の文献だけでは不十分で,英語の論文や文献を読まなければなりません.高学年

になればなるほど,英語の文献はますます必要になります.化学コースの研究室で行われている

研究の多くは,地域に依存したものよりはむしろ国際的に競争が行われているものです.もちろ

ん,文献が読めるだけでなく,外国人と会話するなどの能力は養って欲しいと思います.海外に

行って研究の成果を発表する大学院生も当大学に多くいます.


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